どこかの本

誰かのお話かもしれません。それが誰なのか、私達は知ったところでどうすることもできないのでつまりそういうことです。

2016-01-01から1年間の記事一覧

悪魔

「貴方は音楽をやっていなきゃ、何もなかったんだからね」急に振り落とされた言葉鈍器で殴られたようだった、心臓が潰されるようだった。「でも音楽だけじゃご飯は食べれないから、やめたんでしょう?うん、ちゃんと勉強しなさいね」ああ、優しい言葉は聞こ…

消去

全部なくなればいいと思った消えて、もう存在しなければいいって何が。とかじゃなくて、全部が。何でそう思ったのかとかどうしてそう考えてしまうのかとかそんなのは、どうでもいい自分だけ消えるとかだと、なんか悔しいから、丸ごと全部消えればいいありえ…

神様

「どうか、助けてください」神様へのフリーダイヤル祈り、信じるものを救ってくださる。「神様の意地悪」神様へのフリーダイヤル不満も文句も、全部神様のせい。「もう、うんざりよ」神様からの非通知。自分だけの神様はきっと、悲しいはずなのに。

君の世界

「雨、止まないね」殺風景な部屋気温の低い夜特別何をするわけでもなかったけれど、ただゲームして、くだらない話をした。お互いに気を使う仲でもなかったし、眠くなるまで携帯を弄った。気づけばあいつは窓を見ていた部屋の大きな、カーテンのしまっている…

伝言

伝えられない苦しさが声に出せない悲しさがどれほどなのか、知りました。たくさん言いたいことがあるのに、それを声に出すことが出来ずに、飲み込んでは呼吸が不自然に早くなりました。伝えたいことがあって、それを言いたいはずなのに何故か言えずに、泣い…

大好きな人

大好きな人に憧れてはいけないそれはきっと、嫉妬に変わるから。大好きな人を愛してはいけないそれはきっと、否定に変わるから。大好きな人に嘘をついてはいけないそれがその人のためだとしても。あなたは変わってはいけない大好きな人になろうとしてはいけ…

他人事

私は知らない君の傍から離れて行く人達を眺めるだけのその心情を。君は知らない自分から離れて行く人達の心情を。誰も知ろうとはしない他人の心情など。いつも泣いてばかりなのが証拠だろう。