2015-11-15 夜の鳥 Memory of people. 死にかけたコウモリを拾った友人がいた。何をするわけでもなかったが、餌を少し分けて小さな頭を撫でた。コウモリはどんな病気を持っているかなんて分かりゃしないし、そもそも安易に触って良いものではない。それでも友人は静かに撫でた。真剣に、大事に。次の日、友人は風邪を引いた。コウモリは死んだ。友人が、コウモリはどうなったか。なんて聞くから笑って窓を開けた。「飛んでいったよ。空の向こうへ」友人はそうか、ありがとう、と笑って泣いた。