どこかの本

誰かのお話かもしれません。それが誰なのか、私達は知ったところでどうすることもできないのでつまりそういうことです。

堕ちて

「どうか、お願いです」

人が自身の両手を握り胸の前でどこかにいるらしい神に祈るのは、もはや宗教的なもの。
でも感情があり、心を知る人間ならば願わずにはいられないのだろう。
唱えるだけで叶えてくれる便利な存在がいると信じるならば。
叶わぬ欲の吐き溜め場所のような神様に少し同情して「可哀想」なんて。
祈りを捧げるその姿は、許しを請うように見えるのは私だけなのだろうか。

「祈り」とは神などの人を超える神格化されたものに対して、何かの実現を願う事である。
(Wikipediaより)

祈りとは、時に人を殺し、そして救い、


どこかへと追いやっていく。




「あの子を助けてやって下さい」




「それくらい祈っても、バチは当たらないでしょう?」




守るための祈りも、時に残酷だと言うのならば。







「神様の嘘つき、」


神は何も語らない。